ちょんちょんづき

秋の嵐からすでに4日。でも多摩川の水はなかなか下がりません。あいかわらずシダレヤナギの木は水の中・・・。ところが水の色が夕べまでは茶色くにごったのに、今日は水色。なぜだろう。

おまけに、とってもたくさんのアユが釣れるらしい。今日の板チョコ護岸(ごがん)にはたくさんのつり人が来ていました。釣り名人のヤツダさんは50匹以上。ほかの人たちも20~30匹。


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アユつりは14日が最後の日。15日から禁漁(きんりょう:釣ってはイケナイこと)なのです。

なぜかというと、これからアユたちは瀬(せ)に集まって産卵(さんらん:卵をうむこと)するから。卵をもったアユを守るために釣ってはイケナイのです。安心して卵を産ませてあげたいものね・・・。

ところで、アユが産卵する場所はだいたい決まっていて、河口(かこう:川が海と出会うところ)から上流にさかのぼって、1つ目の早瀬(はやせ:水深が浅く流れの速い場所)の周辺がその場所。多摩川だと、ちょうど二子橋から板チョコ護岸のあたりまで。

で、このアユが産卵する自然の産卵場所のことをこの地域では「じぼく」と言うのだそうです。ところが、別の産卵場もあるそうで、その場所のことを「ちょんちょんづき」と言うとか。どんな場所かというと、アユを釣るために釣り人が川に入り、足で川底の石を何度もふみつけ、石の表面がキレイになった部分なのだそうです。アユは石の表面がきれいなところを選んで産卵します。だから釣り人がキレイにした場所に産卵してしまうのだそうな。

アユを釣る人が、知らず知らずのうちにアユのために産卵場所を作ってあげていると言うことね。

恩返しと言うわけだ。

不思議(ふしぎ)な感じ・・・。